事例概要
市内の飲食店において,揚げ物時に出た揚げかすから,閉店後に出火した事例がありました。
これは,揚げ物時に出た揚げかすをブリキ缶にいれ,厨房内の通路に置いたところ,揚げかすが燃え出したものです。発見が早かったため,幸いにも怪我人等はなくブリキ缶が若干焼けただけで消し止められましたが,発見が遅れていたら大きな火災へと発展していたかもしれません。
なぜ自然発火したのか?
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高温状態の揚げかすや天かすを一ヵ所に集めることにより,揚げかすの余熱で油の酸化反応が促進される。 |
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揚げかすや天かすは空気に触れる表面積が大きく,そのため、油の酸化反応が早く進むことにより反応熱が発生する。 |
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また,1、2により発生した熱は固まりの内部から逃げにくいため温度が上昇する。 |
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そして,揚げカス温度が油の発火点を超えると発火する。 |
どうすれば発火しない?
1 揚げかす等は平たく置いて熱を発散させ、十分に水をかけ、冷まし
てから捨てる。
2 大量の揚げかす等を
一ヵ所に集めない。
3 通気性の良い容器に捨てるなど、
熱がこもりにくい方法で処理する。
最後に
揚げかす等の火災は,油が酸化し熱がこもるまで時間がかかるのが特徴
です。つまり、夜中など無人のときや就寝しているときに発火する可能
性が極めて高く,揚げかす,天かすは適正な処理が必要になっています。
揚げかすの発火により焼損したブリキ缶